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〜東欧女子ひとり旅②〜世界一美しい街、チェスキー・クルムロフへ

プラハから車で約3時間。チェコの南ボヘミア州にある小さな街、チェスキー・クルムロフに行ってきました。ボヘミアの豊かな緑に包まれたこの地は、中世からの街並みがそのまま残る、まるでおとぎの国のような場所。1992年にユネスコ世界遺産に指定され、「世界で最も美しい街」の一つとも言われています。

プラハから日帰りで行ける場所としても人気のチェスキー・クルムロフ。路線バスを利用すれば約2000円ぐらいで行けるのですが、せっかくなのでガイドつきのバスツアーを利用。街はとてもコンパクトなので、すべて歩いて散策。チェスキー・クルムロフ城の塔を中心に、オレンジ色の屋根の建物がひしめき合い、その周りを囲むようにモルダヴ川が流れ、奥にはボヘミアの森が広がる・・・・まるで絵はがきのような美しい光景に胸が高鳴りました。
まずは、街のシンボルでもあるチェスキー・クルムロフ城へ。実はこのお城の壁面は、すべて「だまし絵」でできているのです。


撮影禁止だったので写真をUPできないのですが、このチェスキー・クルムロフ城の内部をめぐるツアーにも参加してきました。そこでこの城にまつわる不気味な伝説の話を聞きました。最初の城主になったのは、ドイツのシュヴァルツェンベルク家のアダム・フランツ氏なのですが、彼の妻、エレノオラ夫人が別名「吸血鬼夫人」と呼ばれていて、18世紀に広まっていた吸血鬼退治の儀式の方法によってこの地に埋葬されているというのです。彼女は当時生活していたチェスキー・クルムロフ城に狼を集めさせ、その乳を飲んでいたとか。(当時は狼は悪魔の使いと言われていた)その他あまりにも奇怪な彼女の行動は、人々から「悪魔の力を信じている」と気味悪がられ、いつしか吸血族の娘であるとされてしまったのです。その後もヨーロッパの名だたる貴族たちが暮らしたチェスキー・クルムロフ城。確かに、調度品などはとても美しく、当時の暮らしぶりがそのまま見て取れるような煌びやかなものだったのですが、正直、その伝説の話を聞いた後からずっと寒気がして。。。。

チェコ人のツアーガイドも、この十字架越しのお城に吸血鬼夫人の気配を感じる、などと言い出して、皆を震え上がらせていました。



城だけでなく街中のあらゆる建物に、ルネッサンス時に流行したというこのだまし絵の技法が見られ、遠目で見て立体的に見える装飾も、近くで見るとすべて絵。建物の装飾に注目しながら街を歩くのも面白いかも。



7月のハイシーズンということもあり、街中は観光客でいっぱい。世界遺産の街、ということもあり、石畳の道にはゴミ一つ落ちておらずとても綺麗でしたが、地元民の暮らしぶりや生活感、というものを全く感じませんでした。ある意味、時がとまったテーマパークのような感じ、あるいは映画のセットの中にいるような感じがしたのです。後で知ったのですが、この街は世界遺産に認定されてから土地の価格が高騰し、住んでいるいわゆる「地元民」はほんの一握りだそう。



モルダヴ川でカヌーを楽しむ人たち。川岸では昼寝をする人もいたりして、のどかなムード。


前回のプラハ編でもご紹介した、トルデルニークのお店。丸いコロネのような形の焼きパンにナッツやシナモンをまぶして食べる、チェコの伝統的お菓子です。

何気ないカフェの看板も、なんだか怖い・・・・!?


静寂に包まれた美しいチェスキー・クルムロフの街、その背景には戦争に翻弄されてきた悲しい過去があるのです。もともとはドイツ系の人々の支配下に置かれていたチェスキー・クルムロフ。しかし1867年に、オーストリア=ハンガリー帝国の一部に。その後第一次世界大戦によって、オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊し、チェコスロバキア領に。その後1939年にはナチスドイツにより、ドイツ領に併合させられてしまいます。第二次世界大戦後にナチスドイツが没落すると、ドイツ人が追放され、再びチェコスロヴァキア領に。当時、チェコスロヴァキアはソビエトの属国だったため、共産主義支配となり、街がゴーストタウン化。まさに「死の街」になったそう。その時にこの地に流れ込んできたロマの人々に対しては今もなおな根強い差別が残っているようです。

その後1968年の「プラハの春」で民主化され、1992年に世界遺産に選ばれたことでこの街は発展し、今の形となったわけですが、”美しきものに悲しき過去あり””美と醜は表裏一体”・・・・そんなことを思いながら街を後にした、チェスキー・クルムロフの旅でした。

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